品種構成は毎年異なるが、ベースとなるのは石灰質土壌に密植されたグリューナー・ヴェルトリーナーである。VT2022にソーヴィニョン・ブランの古木の区画、VT2023にフルミントの区画が加わり、ワインは年々その次元を高めている。
造り手と親交のあったウィーンの芸術家アルフレート・フリドリチカ(2009年に他界)の作品シリーズ、"Himmel auf Erden”(「地上の天国」の意)から名づけられたキュヴェ。
2021ヴィンテージまでは同シリーズの一枚がエチケットにも描かれていた。
品種:グリューナー・ヴェルトリー
ナー、フルミント、ソーヴィニョン・
ブラン他
植樹:1960~2014年
位置:標高200m、南東向き
土壌:石灰質
手作業で収穫後、除梗し、足で踏んで破砕
マセレーションはせず、圧搾、大樽(1000L, 1200L)で野生酵母で発酵
大樽で1年間熟成
亜硫酸無添加、清澄なし、ノンフィルターで瓶詰め
【生産者】Christian Tschida クリスチャン・チダ
オーナー醸造家のクリスチャン・チダはオーストリアの醸造界の中でも異端児と呼びたくなる存在だ。祖父と父、さらにロワールやブルゴーニュの生産者から独学で学び、モットーは「レッセ・フェール(自由放任)」ワインが自ら調和に至ることを尊重している。所有畑は約15ha、主にライタベルクの標高の高いエリアに点在し、30近い区画で10品種以上を栽培する。代表作「ヒンメル・アウフ・エアデン」の自由奔放な個性や、「ノン・トラディション・ヴァイス」のスケール感、「ノン・トラディション・ロート」の端正なカベルネ・フランなど、いずれも独自の世界観を表すワインである。
ライタベルクの畑は「湖の水面が見える場所に良いブドウが育つ」とされ、複雑な土壌構成や山から吹き降ろす冷気により昼夜の寒暖差が大きい。湖面の反射光や岩石の蓄熱・冷却作用も加わり、温と冷の均衡が絶妙に働くことで、豊かなアロマと個性が育まれる。この環境は、穏やかなアルコール感と軽やかさ、そして内に秘めた力強さを備えた彼のワインスタイルに通じている。